福祉の現場で働く方達と福祉を学ぶ学生さんに
気になる質問を徹底的に話し合ってもらいました。
ここでしか聞けない本音トークをお届けします!
若手介護職員×学生×ガップリン、介護トークあれこれ
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たろうさん
中部学院大学人間福祉学部人間福祉学科3年生
高校普通科の福祉関係のコース出身。幼少期にお世話になった祖母の力になれたらと進学した。介護福祉士資格と社会福祉士資格の取得に向けて勉学に励む。
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いもちゃん
中部学院大学人間福祉学部人間福祉学科3年生
高校普通科の福祉関係のコース出身。学ぶ中で認知症の祖母との関わり方がわかるようになり、より深めるために進学した。将来は介護業務か相談業務のどちらに就くかで悩み中。
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O.Mさん
介護老人保健施設アルマ・マータ多治見市
高校は商業科出身。家族がデイサービスに通ったことから福祉を身近に感じ、卒業後は専門学校(介護福祉士養成校)に進学。卒業後にアルマ・マータに就職し現在4年目。
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M.Yさん
養護老人ホーム和光園飛騨市
高校普通科出身。高校時代、授業の一環で和光園を訪れてレクリエーションをする機会があり、雰囲気にひかれて卒業後に入職。現在2年目。
知識技術は大切。でもそれだけじゃない
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ガップリンさん
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今回は若手介護職員2人と、大学で介護を学ぶ2人に集まっていただきました。
M.Yさんは入職前後でイメージは変わりましたか? -
M.Yさん
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入職前は福祉の仕事は優しさが大切だと思っていましたが、実際は知識やチームでの連携も重要だと感じています。
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ガップリンさん
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介護は絶対に人と話す仕事でチーム連携も必要。他者と関わるからこそ、自分のコントロールが必要だといつも感じています。O.Mさんは専門学校に行こうと思った理由は?
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O.Mさん
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商業科出身なので介護の知識がゼロでした。学んでからの方が安心して利用者と接することができるのではと思い進学しました。実習で施設に行けるという点も大きかったです。
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ガップリンさん
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確かに施設見学はできても、実習まではできないですからね。良い視点ですね。
ただ、介護は生活を支える仕事で知識だけで対応できないこともある。レクを渋る利用者をどう盛り上げたらいいかまでは授業では教えてもらえない。たろうさんやいもちゃんは実習に行って何を感じましたか? -
たろうさん
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実習に行ってコミュニケーションが大切だと感じました。関係が良くなると介護がしやすくなります。
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いもちゃん
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私は共同生活の難しさを感じました。施設には生活歴の異なる方が集まりますからいろんなトラブルがありました。
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ガップリンさん
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出身によって常識は違うし、利用者と若手の常識も違いますからね。感情のコントロールはどうしていますか?
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O.Mさん
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高ぶることがないとは言えませんが、自分の感情を上手くコントロールしたり、休みの日にリフレッシュすることを心掛けています。
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ガップリンさん
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良いですね。プライベートで発散するのは大人として必要な能力。ベテランでもイラっとし続けている介護士もいますが、イラっとしなくなった方が身体的に楽。
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ガップリンさん
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一つコツを教えます。
利用者にお願いしても動いてもらえなかったときなど、あえて裏声で「なんでーー」とネタみたいに言うと、お笑いのようになってそれだけで収まることは多々あります。アンガーコントロールは現場で生きてきます。
「ありがとう」と笑いでいっぱいの職場
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ガップリンさん
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働く中、学ぶ中でやりがいや成長を感じるのはどんな時ですか?
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たろうさん
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高齢者とのコミュニケーション能力が実習を重ねるごとに上がっていると思います。
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いもちゃん
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私は祖母に優しくできるようになってきました。それまでは私も家族も、何回も同じことを言われたり、祖母が外に出ようとしたりすることを良く思っていませんでしたが、今は私だけでも祖母の味方でいようと思えるようになりました。
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ガップリンさん
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もう、立派な介護士ですね。一方で、家族だからこそ、けんかしたり怒ったりする関係でもいいのでは。
プロになりすぎてしまうと利用者と介護士という関係になってしまう。ここはあえてあいまいに、エモい関わりをしていきましょう。 -
O.Mさん
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私は家族の方に感謝の言葉をいただけたり、利用者の笑顔を見ることができたりしたときはやりがいを感じます。
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M.Yさん
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利用者に「ありがとう」と言ってもらえたときですね。
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ガップリンさん
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利用者だけでなく職員同士も「ありがとう」が飛び交います。家族に「箸とって」「ありがとう」みたいな感覚。こんなにも言ってもらえる仕事はレアですね。
以前、老健が集まる発表会で「職員が新人利用者のフリをして利用者と関わってみたところ、利用者同士はあまり気をつかっていないということがわかった」と聞きました。利用者なりに職員に気をつかっているということを知っておいてくださいね。 -
ガップリンさん
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僕は笑える仕事という点が一番良いと思う。
利用者が意図的に笑わせてくれることも多く、オフレコでしか話せない面白い瞬間はたくさんあります。真面目、尊さ、優しさだけでない仕事だと思います。
自分のタイプに合った施設=良い施設
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ガップリンさん
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福祉に関わる上で大切なことは何だと感じていますか?
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いもちゃん
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相手から学ぶ姿勢です。相手を尊重していなければ、何をしていてもイライラするのではと思います。
高齢者は人生の先輩であり、何かを吸収しようという気持ちがあればイライラは相殺できるのかなと思います。 -
ガップリンさん
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その考えがあれば大丈夫。
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たろうさん
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私は常にアップデートしていく姿勢だと思います。
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ガップリンさん
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今っぽい!実際、技術は進化していますからね。お二人は?
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M.Yさん
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尊敬できる先輩の技術や利用者との関わり方などをマネしていく姿勢も大切だと思います。
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ガップリンさん
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尊敬できる先輩を見つけるのは大切。「この人と一緒か!うれしいな」というログインボーナス的な気持ちになれますね。
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O.Mさん
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私は、わからないことがあったらすぐに聞くことが大切だと思っています。
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ガップリンさん
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大事!知らないままやるのは危険です。「何回聞くねん」と言われる方が断然マシ!僕はメモを取るのが苦手なので、何回聞いても怒られない関係性を築くことに注力して、何回も聞きながら仕事を覚えました。
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ガップリンさん
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なかなかない機会ですが、何か質問はありますか?
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M.Yさん
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忙しい時などは対応が雑になってしまって反省することがあります。秘けつはありますか?
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ガップリンさん
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老健で働いていた時の歯科衛生士は、全然急いでいるように見えないんです。秘けつは動作を一瞬止めること。「起こしますよっピッ」と一瞬静止です。飲食でも動きながら料理を出されると、気持ちの良いものではないですよね。
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いもちゃん
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プライベートの時間は取れますか?
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ガップリンさん
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むしろ、めっちゃ取れます。夜勤明けは連休みたいなもの。
夜勤明けにそのままプール行って夜に焼肉食べて帰ったことも。あえて夜勤入りたいっていう若い人もいるほどです。土日関係ない仕事ですから、平日テーマパークは最高です。 -
いもちゃん
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夜勤があると生活リズムが崩れてしまいませんか?
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M.Yさん
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僕は崩れていません。
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たろうさん
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新しい知識はどう入ってくるのですか?
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ガップリンさん
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研修がある施設もない施設もあります。気になることは就職前に施設にどんどん聞いてください。
※県社会福祉協議会では、県内の福祉職員を対象とした研修事業を実施しております。 -
いもちゃん
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良い施設を選ぶにはどこを気にしたらいいのですか?
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ガップリンさん
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自分に合っているかが一番大切です。にぎやかな施設、落ち着いた施設…いろいろあります。
僕はちょっとだけうるさい。だから静かな職場にいってもしゃーないです。人間関係が苦手な人は人間関係が「良いところ」よりも人間関係が「少ないところ」を選ぶべきです。 -
ガップリンさん
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規模によっても合う、合わないがあります。決裁権が現場にある施設であれば新しいことをやりたいと言った際に任せてもらいやすい。
一方、大きな社会福祉法人などは理事長まで話が行くのに時間がかかります。そういう施設は安定していて給料などがめちゃくちゃ良い場合もありますから自分に何が合うかによって変わってきます。 -
たろうさん
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キャリアアップは?
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O.Mさん
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新人職員の指導係をしたり、施設の代表として外部研修に行ったりするとキャリアアップにつながる印象です。
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ガップリンさん
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人との関わりの上手ささえあればキャリアアップができる印象です。
おむつ替えがむちゃくちゃ早くたって出世できることはありません。皆さん大丈夫!頑張っていきましょう。
