福祉の現場で働く方達に
気になる質問を徹底的に話し合ってもらいました。
ここでしか聞けない本音トークをお届けします!
転職組こその強みあり!笑いがいっぱい福祉のお仕事
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アイちゃん
特別養護老人ホームくすのき苑大垣市
出産後8年間、派遣社員として製造業に携わる。上の子どもが高校生になるタイミングで介護職員に転身。現在5年目。介護福祉士資格を保有。
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K.Iさん
介護老人保健施設アルマ・マータ多治見市
勤務していた工場がコロナ禍に閉鎖になったのをきっかけに介護の道へ。介護職は、現在23歳で理学療法士をしている長女の勧めで選んだ。介護福祉士資格を保有。
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daiさん
障害者支援施設ひまわりの丘関市
郵便局員やメーカーでの生産管理に関する業務をした後、10年前に福祉の道へ。介護福祉士資格を保有。大学生と中学生の子どもを育てる。
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ひじきさん
児童養護施設樹心寮揖斐郡大野町
金属加工メーカーで働く傍ら、2019年から子どもの居場所づくりに関するボランティアを始めた。専門学校に通って社会福祉士資格を取り、2025年4月に入職。すでに成人した子どもがいる。
転職組は実は仕事のストレスが少ない!?
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ガップリンさん
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今回は転職して福祉の仕事に就いた方に集まってもらいました。
僕も転職組です。工場で働いていたところフォークリフトにひかれて退職。ハローワークで「週休2日で残業ナシ」と希望を出したら介護職と公務員をすすめられました。 -
ガップリンさん
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そして「公的職業訓練だと介護職員初任者研修がタダ」と。大阪人ですからね。タダに弱いのでとりあえず取りました。そして求人を見たら前職よりも給料が高く「最高やんか」と。最初はこんな理由です。
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ひじきさん
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私は仕事に大きな不満はなかったのですが、もやっとしていました。趣味で学習支援のボランティアを始め、そこで児童福祉に関わったのを機に導かれました。
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アイちゃん
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私は母がずっと福祉の仕事をしていて悪い話もたくさん聞いてきました。そのため自分には合わないと思ってずっと断り続けていました。
しかし、子どもの成長に伴って正社員の仕事を探すことにしたところ介護か看護の求人ばかり。ついに足を踏み入れました。ギスギスしている職場かと思っていましたが、アットホームで働きやすいところでした。 -
ガップリンさん
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新卒の方はもっとキラキラした動機を話しますが、転職組はキラキラだけでは生きて行けないことを経験から知っています。だから大抵の場合、新卒者より転職組の方が介護職へのストレスが少なく働けています。新卒は比べる要素がないからストレスがたまりやすい。
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ガップリンさん
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また、介護は前職のことを生かせる仕事です。記録業務などもありますから、一般企業でパソコンを触っていた人はそれだけでヒーローです。
とにかくオモロい!シフト制はアツい!
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ガップリンさん
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福祉の現場は尊い、優しい、温かいというぬくもり系のイメージ。実際はそれよりも冗談が飛び交っていて楽しい雰囲気です。
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daiさん
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障がい者施設は閉鎖的なイメージでしたが、職員は普通です。
利用者も冗談を言って笑わせてくれますし、言えない人も表情で反応してくれるなど至って普通でした。 -
ガップリンさん
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そう、普通なんですよね。他の業種は「面白い人は面白い」というだけですが、福祉は全体的に面白い。
そしてK.Iさんみたいにハキハキ話してくれる人はそれだけでありがたい。 -
K.Iさん
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ありがとうございます。本当に面白いことがたくさんある職場だと思っています。
そして介護の仕事は交代勤務で残業がほぼなく、希望を出せば土日でも休めます。夜勤明けは明けと休みでほぼ2連休。こういった点も自分に合っています。 -
ガップリンさん
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僕は「平日休みはアツい!」と思うタイプですが、皆さん、前職は土日休みでしたよね?
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daiさん
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私も平日休みがアツいと思うタイプです。大抵、3日働いたら休みがあります。週末の混雑を避けて、プライベートの充実がしやすい環境だと思います。
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アイちゃん
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シフトによっては子どもが学校から帰ってくる前に帰宅できる点も良いですよね。
数字に追われない!利用者の笑顔が成果
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ガップリンさん
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利用者の成長にやりがいを見出す方が多いと聞いています。そこのところはどうですか?
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daiさん
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それはありますね。
この仕事は数字よりも人間らしさ、誰かの笑顔に仕事の成果が出る点が魅力です。前職は数字に追われていましたから。 -
ガップリンさん
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良くも悪くもお金のにおいがしない。いちいち「おむつ交換をしたから加算が」など考えません。
「何時までに全員をお風呂に入れなければ」ということはありますが、お金のノルマはありません。逆に苦労した点は? -
アイちゃん
K.Iさん
daiさん
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コロナの時は大変でした!
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ガップリンさん
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大変でしたよね。そこをクリアした人はめちゃめちゃ強いと思います。コロナでなくなってしまった仕事もある中で、福祉の現場は365日止められません。
あとは意思表示が難しい方への対応。認知症の方への対応はいかがですか? -
K.Iさん
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一時期、毎日100回ぐらい「黄色いチャックのカバンはどこやった?」と言われ続けました。
そして「事務所で預かっています」と100回返しました。一日中その繰り返し。さすがに疲れました。 -
ガップリンさん
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認知症の方の送迎の際、11回も「どこの出身?」と聞かれ、全部、違う場所を返してみたことがあります。こういうのを不謹慎に思う人はいるかもしれませんが、このやり取りで誰も嫌な思いはしていません。
ただ、障がいのある方に対して同じようにやってみたら「さっきと違うことを言っている」と。反省しました。 -
daiさん
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利用者に強く当たられたときなどは、大変というよりは「何に困っている?」と、謎解きのような気持ちでいますね。
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ガップリンさん
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良いですね。何かあったとき「おっしゃ、やったろやんけ」と思えるか、イライラするかでは全く違います。怒りではなく「なんでなんやろ」と一旦止まって考えるのは大切。そうやって信頼関係を築くことができ、やがては「このままじゃ不穏になる。気を紛らわそう」と第六感で察知するみたいな。こうやって続けていくと「自分、プロやな。ニヤリ」と思える。
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ガップリンさん
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ところで、聞いてみたいことがあるのですが、皆さんお子さんがいますよね。子育て経験は業務に生きましたか?
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アイちゃん
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とても役立ちました。食事介助は子どもにもしてきましたからね。
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K.Iさん
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お風呂介助もですよね。
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daiさん
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排せつ関係は、子どもと同じとは言えませんが抵抗は少なかったです。
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ひじきさん
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児童養護施設の場合は、子育て経験が壁になることがあると聞きます。
「自分の子どもでうまくいった方法がなんでこの子には効かないのだろう」と悩むケースもあるようです。私は特に壁を感じていませんが、児童の現場は参考になるとは限りません。 -
ガップリンさん
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なるほど。最後にこれから福祉の仕事を始める人に向けてメッセージをお願いします。
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ひじきさん
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専門学校の友達と再会すると、悩んでいる人もいるし、輝いている人もいます。志を持って取って資格を取った以上、「やらねば」と思うのは無理ありません。
しかし違うと思ったら、次に行けば良いと思います。どこにいたって福祉のマインドは生かせます。なりたい自分にフォーカスしすぎるのではなく、自分がやっていて心地良いことにフォーカスして考えることができると良いと思います。 -
ガップリンさん
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真面目に考えすぎるとミスマッチが起こりやすい。福祉と一括りで言っても、高齢者、障がい者、児童などとあり、そして施設によって穏やか系、真面目系、ワイワイ系とあります。
しかも年齢や経歴は関係なくほぼ選びたい放題。求職者にとってこんな有利な環境はありません。未経験でも自分に合ったところを選んで一緒に頑張っていきましょう。
